TENEBRAE 連載コラム
COLUMN

『シナリオ担当I川のホラーよもやま話』Vol.7
「"電”のつく怖いハナシ」

どうも。
シナリオ担当のI川です。
まだまだ暑い日が続いていますが、それでも朝晩の風には
真夏のそれとは違う秋めいたものを感じるようになって来ましたね。
そのせいか、自分は少々風邪気味で……季節の変わり目、健康にはお気をつけください。

ところで、『闇からのいざない TENEBRAE Ⅰ』、もうクリアされた方も多いかと思いますが、
当作はルート分岐にマルチプレイと、2度3度遊べる仕掛けがございますので、
是非、周回プレイにもチャレンジしてみてくださいね。

それでは今回のお話。
インターネットにまつわる怖い話、いわゆるネットロアについては以前もお話ししましたが、
ネットが普及する以前からあったのが、電話にまつわる都市伝説です。

皆さんもお聞きになったことがあると思います。
近年、有名になったものとしては『トイレの花子さんの電話』や『貞子の電話』などがありますね。
いずれもありえない番号に電話をかけると繋がってしまうというものや、
(そして、意味不明の声や音が聞こえたりする)
特定の番号にかけてから電話を切ると、無言電話のコールバックあるといった内容です。

実はこれ、その殆どのケースがオカルト的な要因とは無関係な現象であることが知られています。
代表\的なものとしては、ある種の音声を流すサービスをしている電話番号であったり、
(『宇宙パワーを送ります』という音声が聞こえてくるのが有名ですね)
電話工事の際に、回線のテストのために自動的にコールバックの返ってくる番号などが挙げられます。
詳しい話は『電話の怖い話』等のキーワードでネット検索すると、色々な事例が見つかると思いますので、興味をお持ちになった方は、一度検索してみてはいかがでしょうか?

電話にはどこか得体の知れない恐怖感がつきまとっていると、感じたことはないでしょうか?
その原因はおそらく、電話というものが音声のみによる連絡手段であること……
つまり、電話の繋がった先にいるのは、確かに実在する(と思われる)相手であるにも関わらず、
その正体、具体的には相手の姿形が見えないということにあるのでしょう。
相手の姿形が見えないという”情報の欠落”は、その相手の”正体”を不明確にしてしまう……
ここにも、以前お話しした『意味の喪失』による恐怖感が働いているといえるのです。
それが、誰もが抱きうる普遍的な電話への不審感=恐怖感であることは、携帯電話がもたらす
恐怖を描いたホラー映画『着信アリ』がヒットした事例を見て戴ければ、ご納得戴けると思います。

相手の正体を曖昧にしてしまう電話がそうであるように、
発信者不明の電波というものもまた、恐怖感をそそる存在です。
以前、この欄で紹介致しましたネットロア『NNN臨時放送』などはその代表\例ですね。
あれはTVが受信した発信者(発信元)や、その意味するところが不明である番組、という題材で
巧妙に恐怖感を煽る仕組みを持った都市伝説でした。

『NNN臨時放送』と似た事例として有名なネット動画に『ワイオミング事件』というものがあります。
アメリカのワイオミング州で起きた電波ジャック事件の際に流れた映像と言われるもので、
意味不明のメッセージや不気味な男の顔が映し出される、かなり不気味な映像です。
どうやら実際に起きた事件ではないらしく、件の映像に含まれるノイズが不自然であったりすることから
映像自体もフェイクであるというのが真相のようですが、今も信じている人は少なくありません。

メジャーなテレビ番組が都市伝説の題材になってしまうケースもあります。
特に有名なところとして、『ドラえもん』の謎のエピソ\ード『タレント』の話が上げられるでしょう。
ドラえもんとのび太が地下世界で体験する不気味な出来事を描いたというこの『タレント』という
エピソ\ード、これもどうやら幾つかの誤情報が混ざり合って醸成された都市伝説というのが
本当のところのようですが、裏返して言えば『実在しないエピソ\ード』であるからこそ、
より恐怖感を煽る話になっているのかもしれません。

さらに、実在している放送が都市伝説の題材になるケースも存在します。
モスクワ近郊のとある放送施設から発信されている『UVB-76』と呼ばれる短波放送があります。
この放送で流されるのはその殆どが1分間に25回のペースで流れるブザーの音だけという特異なもので
(過去数回、人間の音声による発信が確認されてはいますが)そのことから『ザ・ブザー』とも呼ばれています。
内容がまったく意味不明であることから、『ザ・ブザー』の正体については様々な推測がされており、
その中には『全面核戦争の危険が迫った際に確保されているホットライン用の周波数』であるとか、
『その放送が一定時間以上途切れた場合は核攻撃を受けたと自動的に判断され報復攻撃を行うための装置』と 言った、かなり恐ろしいものも含まれています。こうした憶測を生み出しているのも、
『UVB-76』が人間の音声を伴わないもの=『意味の喪失』した放送であるところが大きいと思われます。

日頃当たり前のように利用している電話や電波放送。
そこにも『意味の喪失』という恐怖が含まれている……なかなかゾッとする話ではないでしょうか?

さて、次回は「オススメ映画紹介」その2と題しまして、
ホラー映画『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』を取り上げたいと思います。
賛否両論、評価が真っ二つに分かれることでも有名なこの作品、
『意味の喪失』という視点から捉えた場合、どう評価することができるのか……?

それではまた次回、お会いしましょう。

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