TENEBRAE 連載コラム
COLUMN

『シナリオ担当I川のホラーよもやま話』Vol.5
「TENEBRAE Vol.1 発売直前Special」

どうも、シナリオ担当、I川です。
8月もいよいよ後半、皆様、いかがお過ごしでしょうか?
ふと気がつくと、世間様ではオリンピックやお盆休みがあったようですが、
私は……えーと、なにそれ、美味しいの?

まあ、もはやホラーとは何の関係もない話題になってしまいましたが(自爆)、
閑話休題(と書いて「それはさておき」と読む)。
いよいよ、発売が近づいて参りました『闇からのいざない TENEBRAE Ⅰ』。
今回はその発売直前スペシャルと題しまして、
『TENEBRAE』に影響を与えたホラー映画やゲームのお話を。

子どもの頃にテレビで観て、今だに大きな影響を受けているホラー映画。
それがリドリー・スコット監督の古典的SFホラー、『エイリアン』でした。
それまでのSF作品に登場したものとは一線を画する、
どこか生活感の染み付いた薄汚れた宇宙船ノストロモ号のリアリティあふれる美術設定。
リドリー・スコット監督の、あの光と影が織りなす演出、そしてその空間を跋扈する、
シュルレアリスム芸術家、H・R・ギーガーが生み出した恐怖の存在、エイリアン……。
よほど、初見の際の印象が強烈だったのか、この映画を観て以来今でも、
宇宙船の中のような閉鎖空間の中で怪物に追い回される悪夢を時々見ることがあります。
『TENEBRAE』の作中でも、主人公たちが閉鎖された空間の中で正体不明の黒い霧に追い回される
展開がありますが、これは間違いなく、『エイリアン』の影響によるものでしょう。

擬似ドキュメンタリー(モキュメンタリー)スタイルで話題になった作品、
『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』も、大きな影響を受けたホラー映画のひとつです。
もともとゲームにはⅠ人称視点でその世界を主体的に体験するという意味で、
ドキュメンタリーのスタイルと親和性があると言えるでしょう。
俯瞰視点から世界を見るのとは違う、直接的にその世界を体感しているというイメージ、
そして一人称の視点から物事を見ているが故に生じる、情報の欠落。
言い換えるなら、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』自体が、実は極めてゲーム的な構造を持つ映画ということができるでしょう。実際に『ブレア~』は『SIREN』や
『ひぐらしのなく頃に』に大きな影響を与えていると言われていますが、その意味では
『TENEBRAE』もまた、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の系譜に連なっていると
言えるかもしれません。

ゲームでのホラー体験として、まず記憶しているのはセガのメガCD用ゲームソフト、
『夢見館の物語』ですね。
まあ、厳密にはホラーゲームではないのですが、その夢とも現ともつかない幻想的な世界観とその演出には、どこか恐ろしさを感じさせるものがあり、鮮烈な印象が今でも残っています。
そしてもうひとつ、決定的な影響を与えられたゲームこそが『サイレントヒル』シリーズです。
霧に覆われた街、サイレントヒルの静謐で不気味な雰囲気と、
血と錆にまみれた無機的な裏世界のおぞましさ。
何が現実で何が悪夢なのか分からなくなるその演出が、実に秀逸な作品でした。
自分自身が今そこで体験している出来事は果たして現実なのか、それとも……?
『TENEBRAE』でも主人公がそんな感覚に陥り混乱する場面がありますが、それはおそらく、
『夢見館』や『サイレントヒル』の持つ恐怖感をその源泉としているのです。

H・P・ラブクラフトらによって想像された現代の恐怖神話体系、
『クトゥルー神話』の影響も、外すことの出来ない重要な要素です。
我々が知っている現実世界とは明らかに違う別世界の存在。
世界、あるいは宇宙そのものが内包する、圧倒的な力の存在。
クトゥルー神話の魅力は正にそうした『触れてはならない存在』が現実世界の綻びから
垣間見えてしまう、その恐怖感にこそあると言っても過言ではないでしょう。
『TENEBRAE』においても、そんな人智を超えた『触れてはならない存在』が、
ストーリーを進めるうちに、徐々に見えてくることになります。
果たしてその存在……『内なるもの』とは、一体何なのか?
それを読み解くのは、実際にプレイをする、あなた自身なのです。

次回はいよいよ発売された『TENEBRAE』、
その見所やストーリーのポイントについて解説して参ります。
ここでしか知ることのできない、マル秘攻略情報なんかもあったりして……?

それでは、次回もまた、お付き合い戴けますと幸いです。

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