ストーリー

ひと月前、交通事故で左腕を失った主人公『宮岸行人』

片腕の生活にも義手をつける感覚にも慣れてきたが、それよりも入院中に彼を悩ませる事があった。
時折起きる腕の痛み、幻肢痛。

その夜の痛みはいつもと違っていた。
今までにない激しい痛み、ベッドの中でもがき、声にならない声で必死に助けを呼ぶ。
(誰でもいい、助けてくれ!!)と

その時、誰も居ないはずの病室…というよりも、頭の中に直接声が響く。

「手を出して」
  女の子の声だった。
「早く…手を出して。あたしに触れて」
  まだ聞こえてくる
「さあ、早く。助けてあげるから…ね」
  俺を助ける?
  だが、今はそんな幻聴にもすがりたい一心で右手を差し出す。

「そっちじゃない、左手を伸ばして」
「伸ばせば届く!」

高峯夏希。それが女の子の名前。
俺にしか見えない病室の仲間。その時はまだそれだけだった。



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